2010年7月18日

ウガシャツ工場見学(午後中)

午後は同期と合流して(午前中の失態をおちょくられ)、Phenix Logistics Uganda Ltd.の社長、柏田雄一さんの元へ。

柏田さんは"ウガンダの父"と呼ばれる、ウガンダで一番有名な日本人。


【フェニックス社】
ウガンダが英国から独立して間もない1965年、新政府は現地で製品の評判が高いヤマトシャツ(現ヤマトインターナショナル 大阪市)と日本の商社に出資を求め、合弁による衣料品企業ユージル社を首都カンパラに設立。責任者には、世界を相手にヤマトシャツを販売してきた若き日の柏田社長が就任。柏田社長は、電動ミシンの使い方以前に、時間厳守、整理整頓などの基本から従業員を教育・指導して、短期間で経営を軌道に乗せるも、1978年にタンザニアのゲリラとウガンダ民族解放戦線がアミン政権と衝突し、国内が紛争状態に。この時、工場が一般民衆によって機械も建物も全て破壊&略奪され、300万ドルが一夜にしてゼロに。

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「ウガンダ国内の略奪を伝えるBBCニュースを見たら、どうしても自分の眼で確かめたいという思いが募り、ケニアの日本大使が引き止めるのを振り切って、セスナ機を仕立てて反政府側が支配するエンテベ空港に飛びました。幸い、私の顔を知っている兵士がいて、50km先のカンパラまで送ってもらえました。途中の商店はほとんど略奪されており、ユージルの工場も一切が奪われ破壊されていました。これで15年の努力も水の泡だと思いながら自宅に回ってみると、意外にも無傷でした。やがて近所の人が出てきて、押し寄せる略奪者に対して『この家は、ウガンダに尽くしている日本人の家だ。家がなくなればもう戻ってきてくれないから壊さないで』と身体を張って守ってくれたことを知りました。信じがたい思いで感激しました。

そして、騒乱がおさまった2週間後に工場に戻ると、今度は従業員が集まってきて『こんなことをしたのは我々の同胞だが、どうか工場を立て直してほしい』と泣きながら訴えるのです。この人たちを見捨てるわけにはいかないと思いました。
しかし、資金もなく融資も期待できないので、もう無理ですと新政府の大蔵大臣に挨拶にいきました。すると大臣は『少し待ってほしい』といって、わずかな時間で3億円の特別融資をまとめてくれました。後で、ウガンダ中央銀行の保証でロンドンの銀行から融資を取り付けたと聞きました」と柏田社長は当時を振り返ります。
このウガンダあげての期待に応えなければと、柏田社長は日本から機械を取り寄せ、材料を確保し、従業員とともに24時間体制で働いて2年半後には全額返済しました。しかし、その後も政変が続き身辺の危険が高まったこともあって、1984年にウガンダ人に経営を譲って帰国しました。


1993年、ヤマトシャツの代表取締役副社長になっていた柏田社長に、アフリカ開発会議(TICAD)に出席するために来日したウガンダのムセベニ大統領から、「ユージルが経営難で閉鎖した。もう一度、国際競争力のある企業に蘇らせるために協力してほしい」という強い要請がありました。
「私はウガンダ名誉領事も務めていましたが、このときは長年苦労をかけた家族にもう迷惑をかけられないと思ってお断りしました。しかし、2000年に会社を退いたときにウガンダの人々の顔が浮かんできて、今度は単身で行くことにしました」と柏田社長。
私財を投じ、かつての現地パートナーとの共同出資でユージルを買収し、不死鳥の願いを込めて社名を「フェニックス・ロジスティクス」としました。そして、荒れ果てた建物を直し、機械を修理し、従業員の再教育を行って、2001年に125人の従業員で操業を再開しました。
ところが、長いブランクの間に中国が台頭するなど世界の市場は大きく様変わりし、安さだけでは太刀打ちできなくなっていました。何とか特色を出して付加価値を高めないといけないと考えた柏田社長が以前からあたためていたのが、オーガニックコットン(無農薬有機栽培綿花)を使ったシャツづくりでした。


「ウガンダには、綿花の害虫を食べる天敵のアリが棲息しているので十分に可能性があります。世界的な環境保護、健康志向の広がりでオーガニックコットン市場は急速に拡大しています。当社は、ウガンダで唯一、原料綿からの紡績、織布、染色、裁断、縫製の一貫生産を行っていますから、品質管理をきちんとして海外の一流企業に高付加価値製品を提供していこうと考えました。そのため、3年間農薬を使用していない畑での作付けなど厳しい国際基準をクリアし、品質管理のISO9001、環境マネジメントのISO14001も取得してきました」(柏田社長)
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長々と書きましたが、途中から完全にコピペ。(実際は、この文章×2倍くらいのお話)
要するに、ウガンダの生きる偉人。


ムセベニ大統領ともかなりの親交があり、"国を立て直す"とはどういう事かという話をこれれまた延々と話された。前日に"シムシティがいかに偉大なゲームか"を同期(42歳)と熱く語っていただけに、うんうんと頷くことしかり。

その後は、工場見学をグルグルと。

2 件のコメント:

  1. 初めまして。突然の書き込みですみません。

    実は、Phenix社と取引をしたく、連絡を取ろうとしているのですがメールは跳ね返されてきてしまいます。

    ネット上で2009年あたりの記事までは多く見つかり、経営が厳しいながらも高品質のシャツを生産し続けて欧米への輸出も増やしているとあるのですが、今年に入ってからの記事を2,3見るところ、”倒産”とまでは書かれていないものの、倒産か?という内容のものを見受けました。

    最新の情報は、ウガンダさんの当Blogです。
    先月工場に行かれたとのことですが、もしお分かりになれば最新の状況を教えて頂けませんでしょうか?

    突然の書き込み、しかも全然関係のないことで本当に本当に恐縮ではありますが、何卒宜しくお願い致します!!!

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  2. >あさかわさん
    初めまして。予想外なコメントをありがとうございますw
    返信が遅れてしまいましたが、ご質問の件について。

    Phenix社は現在(8月16日)でも、順調に営業していると思いますよ。(さすがに経営の良し悪しまでは把握できないので無責任な事は言えませんが)

    僕らが工場見学に伺った頃(4月頭)は、上記の写真のように工場は多くの従業員が働いていました。新隊も7月頭に工場見学に伺っていますが、経営が悪化しているとの噂は耳にしていません。

    また2週間前に、僕らがウガンダで企画しているイベントのポロシャツを柏田社長さん経由でオーダーした所、快く受け付けてくれました。


    もしPhenix社との連絡を考えていらっしゃるのであれば、僕が取次ぎますよ。
    ご質問など何でも受け付けますので、何かありましたらまたコメントをお願いします。

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