2010年5月29日

友達からおおげさな宿題をもらった。

「ウガンダから見た日本についてどう思う?」

それ聞くの早くない?天下国家を語れと?
けど、ウガンダに来たばっかだから書ける事、青臭くないと書けないって事もあるよな。
若いってそういうもんだろ?

ま、暇なんだ。

一言二言で済まそうと思ったけど、フルスロットルで書くぞ。
おおげさに聞け。



日本についてどう思うか。
政治については分からん。経済についてもよく分からん。
経済が後退してくのがマズイのは分かるんだよ。
豊かさの実感って相対的な部分があるから、貧しくなっていくってのは辛そうじゃない。
『アルジャーノンに花束を』じゃないけど、昨日できた事が今日できないってのは辛いよな。
けど、小難しいインテリのオナニズムみたいな話を書くのは疲れる。
ウガンダと比較して気づく、そういう話ってのはちょいちょい小出しに書くよ。


そしたら、日本について書くことが全然ないな。

けどなんかね。
途上国とか海外出た途端に
「日本って~だよね」って急に日本語りするの好きじゃないんだよ。
それって、日本も途上国も自分に都合の良い一面的な見方しか見てないように感じちゃって。
一言で済む何かより、複雑な豊かさってあるじゃない?

「う~ん。よくわかんない」だとか、
「考え中です」とか、
「どうなんだろ?」とか、

スカッとしないところから、出汁って効いてくると思うんだ。


それに、その言説の通底には途上国と日本は違うっていう思想がある気がして。
僕は、ウガンダと日本ってそんなに違いはないって思うんだ。
細かく言えばそりゃあ違うけど、人に関してね。

どこいったって、ズルイ人、弱い人、スットコドッコイな人、優しい人ってのはいるし、
誰だって、人は変わらない。それを忘れたら、大事な何かを見落としちゃう気がして。



じゃあ、

「何も変わりませんよー、チャンチャン」

で終わりかって言うと、そうじゃないんだ。




決定的に『僕』は違う。

こっちで生活してると、

中学生の頃、何をするでもなく、
一緒に遠回りして話すだけで満足だったあの頃の気持ち、

久々にあの感覚を思い出すんだ。



あの頃は外の世界ってのはまだ全然広くて、
知らない事だらけだったんだ。
何でもじっっと見て、じっっと聞いて、いちいち面白がってた。


こっちの生活なんてまさにそうで。
こないだ生徒にワケ分からん「Fene」って食べ物を手渡されてさ。
分からないものを口にするって結構、ドキドキよ?
だから、よく噛んで食べたんだ。
したらさ、食べたことない味だけど、美味いのよ、これが。


市場行ったら、村人が何言ってるかなんて全然分からなくて。
だから、じっくり聞く。そうすりゃ、意味だって少しは分かる。
そうしてる内にアダ名でしっかり呼んでくれるようになるんだ。


あと、学校の通勤路にいる犬に萌えてみたり。
アイツの、ときどき上目遣いにこう、人の顔色をうかがってくるときなんて、どことなく『風と共に去りぬ』のヴィヴィアン・リーを彷彿とさせるんだ。


よく噛んで食べる、話す前によく聴く、撮る前によくみる。
世界を感じる解像度がこっちでは高まるんだ。


確かに、ウガンダだからそれが出来るんだって言えばそりゃそうかも。
けど、僕は外の問題を言いたいんじゃゃなくて、中の問題を言いたいんだ。

日本にいたって知らない事だらけだし、再発見が発見を上回ることだって随分ある。


上手いこと言えないけど、
人生ゲームで一番早くあがりを目指すってのもいいけど、
サイコロの凝った振り方を考えたり、
ゲームを進めながらのおしゃべりに楽しみを見つける、
って事かもしれない。



その感じ方は、日本にも持って帰りたいな。

みま君、2010年@コロロから見た日本についてはそんなとこだ。
日本について書くはずが、全く書いてないな。
今度日本の大球団、広島カープの先発陣の危機について熱く書くよ。




そうそう、海を持ってるってかなり大事だぞ、日本。
こっちはすっかり海欠乏症だ。帰ったらさ、海行こう。海。

2 件のコメント:

  1. これすごい。やられた!
    めっちゃファンになってしまった。

    任期後の同じ宿題にも、期待w

    返信削除
  2. どーもどーも。
    褒められるのが好物なので、嬉しいですねー。

    任期満了時は、卒業レポート提出しますよ。

    返信削除