2010年11月23日

労働CALLING

労働calling
PTCの休暇中についてこれから書こうって時に絶賛放置中のこのBlog。
というのも、今現在(11月下旬)PTCは学年末なのです。
つまり、1年生の進級試験(これに落ちると留年)と2年制の国家試験が間近に迫っているのです。

それに、
"今度の忘年会でタカなんかできない?"という校長からの問いかけに、
即答で ”やらして下さい!” と懇願した手前、色々と仕込みをしているのです。

それに、
親睦会(帰国隊員の送別会やら、新隊の歓迎会やら、キャンプやらを企画する会)の一員もやってるので、"会議" a.k.a "駄話"のために頻繁に首都に上がってるのです。

それに、
生徒とか村の友達と遊ぶとか、掃除するとか、洗濯するとか、放心するとかって重要な用事もあったりして。




つまりは、そういう事なのです。

"自分から忙しいと言う奴に限って信用できない"というのが仲間内での不文律であるのだけど。
"多忙は怠惰の隠れみの"とはよく言ったものです。

特に国家試験に対しては、初めての生徒の試験なので、ちょっと手が抜けないのだ。

そんな「まじな顔」でお送りしている学校ライフです。
「ぼんやり」しながらおもしろいこともあるけれど、
「まじな顔」でやることのほうが、おもしろいことがいっぱいあるから困っちゃう。

という訳で。
更新は今学期が終わるまでしばらくお待ち下さい。


世のため人のため、愛する君のため。
Friends①
Friends②
我ら戦い続ける、労働ウォーリアーズ。
http://www.youtube.com/watch?v=h2Msy57ZPwI

2010年11月4日

彼と彼女とPTC⑥

一学期最後の日。
それは、生徒達が寮から各自の家に帰って行く日。
(学校から30分の生徒もいれば、10時間かかる生徒も。要はウガンダ中に散らばるのだ。)

スーツケースを転がしたり、登山家みたいなリュックを背負った生徒達で校内はドタバタ。
そして、みんなどこなく嬉しそう。
夏休みはいつだって始まる前が一番楽しい。


そんな、生徒達がチラホラとバスに乗って帰り始めた時。
理科室にサスペンダがやって来た。

「マスター!帰る前に友達との写真を撮って欲しいんだけど。」

夏休みは約一ヶ月。その間生徒達は、寮生活を共にした友達とはほとんど会えない。
その寂しさは、ウガンダで一人身生活をしている僕にはもの凄く共感できる。
もちろん一つ返事でOK。


それに、"できることならいつか自分も生徒と一緒に写真を撮りたい"という思いがあった。
皆で仲良くワーッとしてる写真が残せれば、帰国後の自慢の肥やしになるじゃないか。

朝日に輝く密林の彼方を眺めながらこぶしを握り、
「いつかきっと!」などと心のうちを熱くたぎらせたりなどしていたのだ。
そのチャンスがついにやってきたのである。


ワクワクしながら、手でcx1を持て遊んで待っていると、、、




Students of Uganda⑥
サスペンダが連れてきたのはジュリアン一人。

まず彼女の写真を撮って欲しい、その後2ショットを撮って欲しいとの事。



つまり、そういう事か。。。。

さっきまで彼に抱いていた共感が一気に萎えた。



僕が入る隙間は1ミリもなかったので、ファインダーに収めたのは二人だけなのでした。
Students of Uganda⑤

PTCでは、ほとんどの生徒がデキてる。
そりゃあ、年頃の男女が寮生活をしていれば、そういう風にもなるってもの。
ましてやここは"小学生が国民の3分の1を占める国"、みんな元気なのだ。

手をつないで校内を歩くカップルが目に入ると、
「お前らチャラチャラしてる暇あったら、もっと勉強ちゃんとしろやー!」
ってな文句の三つや五つは言いたくもなる。


けど。
そんなのただの嫉妬で言ってるだけであって、
自分だって学生の頃はどーしようもなかったなーなんて、彼と彼女を見ながら思いを巡らせていたのでした。

例えば。
授業中に数学ノートの上欄につぶやきを書き綴っていた高校時代だったり(その後、淳平にノートを貸した事でそのつぶやきがバレて「変態」と言われた)、徹夜で勤務して学校では絶賛睡眠中だったガソスタ時代だったり(爪からハイオク臭が取れなくなった)。

例えば。
人生の中で「陸上部」と「恋愛」のことだけで生きていけたおそらく唯一の時代の、あの頃の僕らであったり。

2010年11月2日

彼と彼女とPTC⑤

Students of Uganda④

と、言うわけなのです。

"ウガンダに教育を!"の美麗美句には夢を見たいけど、現実はなかなかどうして難しい。
大きな話を見ても、小さな話を見ても。

現実を生きる僕らは、ピーターパンが薄っぺらい紙切れでしかないことを、しっかり頭に叩きこんでおく必要がある。(それでもなお「でも、もしいたらヤバいな」とドキドキするのが正しい大人のありかたです)



ただ。
もちろん【勉強ができない=ダメ】って訳じゃない。

できないのは、できないなりに一生懸命だったりする。
例えば、授業を熱心に聞くし(理解してるかどうかは別として)、授業後にわざわざ理科室まで質問にくる生徒は結構多い(ほとんどが駄話だけど)。

イイ奴が多い。
笑いのハードルが低いし、すぐ踊るし、バカばっかだけど、こんなに可愛い奴らもいない。
こちとら下町生まれなので、素朴で愚直で抜けてる人の方が付き合いやすいってのもあるけど、それを差し引いても、人としてできてる人間がかなり多い。

そういう意味では、アイツらはウガンダ小学校の先生には向いてるのかもしれない。



どっちを見るかは人次第だけど、それにしてもものごとの上っ面だけをぺろりとなめて、甘いとか辛いとか単純な味覚に還元してしまうモノの見方ほど、つまらないものはないと僕はつくづく思うのだ。

彼と彼女とPTC④

Students of Uganda③

今度はもうちょっと小さな話。
"(うちの)PTCでの授業風景"について。

1年2年全クラスの理科を担当している上で、共通して言える事。
勉強できない生徒がヒジョーーーに多い。



ある日の物理の授業。
《運動エネルギーと位置エネルギーの説明をした後での、練習問題を出して》

(解答を見せながら、満面のドヤ顔で)
生徒:「マスター!出来たよ!」
Mathematical Expression①










問題文を読み取って、計算式になおせたまでは良かったのだけど。。。
これくらいの計算、26歳(その生徒)としては正確に解いてもらいたい。

しかも、見回ってると他にも平気で
Mathematical Expression②
なんて計算をしている生徒もいて、決して彼が例外なのではない。


みずから進んでギャフンと言いたくなる。




毎日の授業風景はこんなふうにして、
少し前の(最近は知らない)"いかに魅力的に間違えるか"のクイズ番組のような珍回答が続く。




ある日の地理の授業。
《『地球の自転』を地球儀を使って、しかもアフリカ大陸のウガンダを例に説明した》

僕:「例えば、朝7時にウガンダがここ(生徒から見て正面)にあれば、(回転させつつ)昼12時はここ、(回転させつつ)夜12時はここ、そしてまた朝7時にここ(生徒から見て正面)に還ってくるんだよ」

(颯爽と手を挙げて)
生徒:「マスター、自転してる時はアフリカ大陸と何大陸が回るんですか?」

僕:「・・・・( ´_ゝ`) えっ?」





《「地震の仕組み」をプレートのモデル(スポンジをプレートに見たてて)を例に説明した》

僕:「こうやってプレートが原因で、地震ってのは起きるんだよ」

(深々と納得して)
生徒:「へー。前までは自転の遠心力の勢いで地震が起きてるんだと思ってましたよ」

僕:「・・・・( ´Д`)  ナンですと?」




《授業の始めでプレートのイロハを教え、その上で海嶺やら海溝やらを(個人的には上手に)教えた》

僕:「海嶺や海溝ってのはこうなってるんだね。んじゃあ、今日はここまで。最後に質問ある?」




(一番前に座っている、目の前の生徒が手を挙げて)
生徒:「マスター、プレートって何ですか?」









かけた眼鏡だってずれ落ちないほうがおかしい。