2010年9月11日

(平べったくなかった頃の)PTCの一日

今でこそ活動も順調にこなしてる(ような気がする)けど、
そういった話を書く前に、活動が滞ってた時の話をちょっと。
ただ、こりこり書いてるうちにおじいちゃんの話みたく長くなってしまったので、
先にお茶を用意してください。書きすぎた。


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赴任当初の日々は、ただただツラかった。
要約すればそれだけのものでしかないけど、
その僅かな言葉の周囲には言葉にならない思いや出来事が多々あった。


水道・電気がない、ご飯が美味くない、教材がない、娯楽がない、
なんてのは慣れてしまえばどうってことない。
古今東西の悩みといえば、"身近な人間関係"と"自意識"って相場は決まってるわけで。


要は、信頼関係がなかなか築けずに困った。
もっと言えば、"話せなくて"困った。




赴任前は、
"急に現れた外国人だから、根掘り葉掘り質問されて大変だろーなー"、
"そんであっという間に仲良くなっちゃって、楽しいアフリカ生活だろーなー"
なんて妄想で頭は一杯だった。


けど、前にも書いた通り、職場は青年海外協力隊員が僕で3代目。
日本人に対する新鮮味はさほどなく、あっちから興味津々にワァーっと近寄ってくるってことがそんなになかった。

しかも、赴任時は1学期の途中。
そんな急に授業を持てる訳もなく、授業見学したり教材研究したり、授業準備したりで、理科実験室に一人でポツーンといる事のが多かった。

しかも、良くも悪くもボランティア。
学校側から指示される仕事は皆無。自分から動かなければやる事は何もない。
"だからこそ、やりたい事が何でもできる"と言えばそりゃそうだけど、勝手の全く分からない場所でいきなりの放置プレイは結構キツイ。


妄想と現実には、溝どころか大河級のギャップがあった。


「じゃあ、自分から動けばいいじゃないか」という至極当然な正論もある。
けど実際には話しかけられるのを待っていたし、"いつか"機会があったらこちらから声をかけようと思ってた。


しかし、"オバケ"と"いつか"は待っている奴の所に来たためしがない。



正直、話すのが億劫だったのだ。
相手に伝えたい事が正確に伝えられないし、クセのある英語がはっきり聞き取れないから、何度も言い直して、何度も聞き直さなくちゃいけない。
やっぱり、それは恥ずかしかった。

「誤りは誰でも犯す、問題はそれをどう正し、いかに繰り返さないかだ」なんて思おうともした。けどそんな心理操作くらいで、いたたまれなぬほどの恥ずかしさが消えるはずもなく。

『"言語環境の孤独"と"異国での孤独"の二重の孤独が辛かった』
と言えばカッコがつくけど、早い話が
『ビビって引きこもってた』のだ。

自分の小物っぷりを自覚して、余計にこたえた。





そんな、ある日。
生徒に「ちょっと、ドミに来て欲しい」と言われた。
促されるままについて行って、、、
そして、これだ。



急に数十人で踊り付きで歌われた。しかも、"日本語"で。
聞けば、前任の柴田さんが赴任してた頃、学校でJpanese cultural dayを開催したらしい。
その時に歌った"風になりたい"を日本詞で記録してたそうだ。


ゴスペルで鍛えた声量と歌唱力に圧倒されたのは言うまでもなく、
歌詞の内容が内容だったので、状況が状況だったので、
「あなたに会えた幸せ」なんて歌われたもので、

もう、そりゃあもう、ボロボロ泣いてしまった。




その後。
急に生徒の前で泣くだなんて、これ以上ない異常なカッコ悪さを見せつけてしまったので、なんかもうどーでも良くなってしまった。
あっちがワーッと来ないので、こっちからワーッと行ってみたり。

そりゃ、何を言ってるか分からないで何度も聞き返す時は未だにキツイ。
特に授業中の質問の意味が分からなくて、質問の質問をしてしまってる時とか。

ただそれからの日々は、僕は花道を行く力士のように気合をみなぎらせ、ややもすると心に忍び入る弱気と闘おうと決意したのだ。


それから徐々に、同僚、生徒、村人、コギャングらと仲良くなった。
今思うと、アレが分岐点だったなーと思ったりする。

追記:
"風になりたい"を歌ったのは、僕を感動させたかった訳ではなく、
「この歌詞の意味が分からないから英語で訳して」ってのを頼みたかっただけだった。

4 件のコメント:

  1. 海婆に改名します 
    鍛えた声量と歌唱力・まあ〜・・気持ちよかったでしょ?
    私も肉声の周波数は大好きです
    きっとどうしたら近づけるかみんなで考えたんだと思う、のは婆だけかな?
    素敵な時を感じさせてくれてありがとさま〜
    壁の色 ホンに奇麗ですね さ・わ・や・か・・・
     

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  2. >海婆さん
    また、素敵な名前でw
    そうですねー、今の仲良し具合を考えると
    あの時生徒達にそういう意識があったのかもしれないですね。
    というか、そう考えた方がロマンがあって僕は好きです笑。

    壁の色は、指摘されるまでそんな意識してなかったんですけど、
    言われてみると結構爽やかですね。ま、塗られてるのは職員室だけですけどw

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  3. 告白すると ポロポロ〜ポロポロ〜〜
    水分補給しなくちゃ〜

    海婆

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  4. >海婆さん
    アハハハw
    朝晩は肌寒いとは言え、そこはアフリカ。
    昼間は熱中症になるくらい熱いんで、水分補給は大切って事でw

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