2010年10月21日

彼と彼女とPTC①

せっかく理数科教師として派遣されているので、
たまには大きな話"ウガンダの教育事情"について書いてみるのだ。
Children of Uganda②

ウガンダは、1962年に英国の保護領から独立。
ウガンダ独立時点での教育制度は、1922年に建築学の最初の講義を開始したマケレレ大学(ウガンダのみならず、東アフリカの"東大"的存在の大学)を頂点とし、5千以上の小学校、260の中学校、20の高等学校、その他アジア系、ヨーロッパ系の学校も擁し、アフリカ諸国の中で最も進んだ教育制度だったそうだ。


昔のウガンダは、本当に発展した国だったらしい。
緑豊かで、食料豊富、教育充実、都市も綺麗で国民温和。
前述した柏田さんが初めてウガンダ入りした1965年当時は、
本人曰く「日本より発展している」ように感じたらしい。

「第二次大戦中、ウガンダのカンパラにイギリスの首都機能を一時的に移転する計画があった」とか、「アフリカの真珠」の通り名は伊達ではない。





時は流れ。栄枯盛衰。盛者必衰。

『人食い』の悪名を持つアミン大統領在位中、国内の混乱や経済困難によりウガンダは荒廃。
もちろん教育も一気に後退。

まず、小学校への就学率が激減。(もちろん、その先の高等学校への進学率も激減。)
さらにPrimary School(小学校)における落第率の高さ、女子の就学率の低さ、教員のレベルの低下なども深刻な社会問題となる。


現ムセベニ大統領政権は「国造りの基本は教育にある」として、1997年より初等教育無料化政策UPE(Universal Primary Education)を実施中だ。この政策は、一家族に付き4人目までは児童の教育費を無料化し、保護者の負担を軽減することにより就学率を高めようというもの。
児童数は96年に270万人であったが、97年には530万人になり、現在では全国民の3分の1である約800万人の児童がPrimary Schoolに通っている。

これにより、就学率は80年代が50%であったのに対し、現在では141%にまで達している。

・・・

この、どう見てもギャグにしか見えない"就学率141%"というデタラメな数字。

これは落第率の高さや後述するPLE(Primary Leaving Examination、小学校卒業資格取得試験)不合格者、就学年齢以前に入学することなどが原因として考えられる。

あるPrimary SchoolのP1クラス(小学校1年生クラス)で実際に調査したところ、5歳から11歳までの児童が一つのクラスに在籍していた。

また、教師数は4万4千人(1996年)から11万人(2000年)に増加し、公立小学校数も約500校(1996年)から約12500校(2000年)に増加している。その後、現在まで比例するようにその数は増加の一途を辿っている。


全国民の3分の1が小学生”ってのも、国民絶賛減少中の国民からすると驚異的数字だ。
実際、ウガンダではそこら中に収穫したてのじゃがいもみたいなのがコロコロ走りまわってる。

Children of Uganda①

2 件のコメント:

  1. 就学率141%って・・・

    そんなにウガンダは発展していた国なのに、
    なんで荒廃しちゃったんだろうね?
    なんだか残念。

    いやしかし、だからこそJOCVが行くのよね。。。

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  2. >風太郎
    就学率141%はギャグだよね笑。
    でも、子供が沢山いるってのは凄く強いわ。こっち来てつくづく感じる。

    JOCVは残念地域に派遣されるもんだからね。
    派遣後にはちょっとでも残念度を解消したいもんだわさ。

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