2012年9月23日

mo money mo problems④

滞在時間5分のムバララを後にして、首都カンパラの帰路についたのであった。

サイフがない事に気づいた後はパニックだった。
とりあえず、デカイ声を出して周囲に猛アピール。
変な外人が騒いでるとあって、コンダクターも運転手も乗客も野次馬も手伝って乗ってたバスを大捜索。

冗談抜きで、椅子もひっくり返した。

それでもサイフは見つからなかった。

乗車時。
遠のいてく意識の端で、後ろに若者集団が乗ってた記憶があるけど、おそらくそいつらなのである。


「首都に着いたら友人からお金を借りて、乗車代は絶対払う!」
という約束をして、乗ってきた長距離バスに再び乗るハメに。





想像して頂きたい。
友人のイベントに参加するために名古屋に行く予定が、大阪に着いた上に、財布をスられることを。
それだけでも魂の局所麻酔が必要なほど痛ましい光景であるのに、そこでじんとほろ苦い涙など流そうものなら、たっぷり四半世紀は自分を許せぬ羽目になる。

それに最初はパニックになっていたから考える隙もなかったけど、乗車して冷静さを取り戻すにつれ、遅ればせながら怒りがこみあげてきた。
現代文明におんぶに抱っことは言いながら、両親と地球環境以外には誰一人として恥じ入るべき相手のいない、貝のように無害な生活を送っている自分から、財布をスるクズがいるとは!
ウガンダに赴任して半年、「そろそろ帰国の準備が必要な頃合いか」なんて考えもちらつく始末。

それもこれも、お腹が減ったのだ。

朝6時頃からバスに乗って、眠りに眠って、お昼過ぎ。
朝食はパン一個に水。

けど、食べ物を買うお金もないし。。。


そんなこんなで、バスは休憩がてらに街で停車。
ただ、こちとらそんな状況。騒がしく肉の串焼きやバナナを沢山抱えた売り子を窓からうらめしそうに眺めながら、雨に濡れた野犬みたいに椅子の端っこでうずくまっていた。


そんな時。
「これ、食べろよ」と言ってコンダクターが、焼きバナナを手渡してくれた。
「受け取れないよ。お金がないんだ。」申し訳なく断ったら、
「いや、お金はいいんだ。お前は俺のバスで金をとられた。それは俺の責任だ。」と言った。

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