2010年11月4日

彼と彼女とPTC⑥

一学期最後の日。
それは、生徒達が寮から各自の家に帰って行く日。
(学校から30分の生徒もいれば、10時間かかる生徒も。要はウガンダ中に散らばるのだ。)

スーツケースを転がしたり、登山家みたいなリュックを背負った生徒達で校内はドタバタ。
そして、みんなどこなく嬉しそう。
夏休みはいつだって始まる前が一番楽しい。


そんな、生徒達がチラホラとバスに乗って帰り始めた時。
理科室にサスペンダがやって来た。

「マスター!帰る前に友達との写真を撮って欲しいんだけど。」

夏休みは約一ヶ月。その間生徒達は、寮生活を共にした友達とはほとんど会えない。
その寂しさは、ウガンダで一人身生活をしている僕にはもの凄く共感できる。
もちろん一つ返事でOK。


それに、"できることならいつか自分も生徒と一緒に写真を撮りたい"という思いがあった。
皆で仲良くワーッとしてる写真が残せれば、帰国後の自慢の肥やしになるじゃないか。

朝日に輝く密林の彼方を眺めながらこぶしを握り、
「いつかきっと!」などと心のうちを熱くたぎらせたりなどしていたのだ。
そのチャンスがついにやってきたのである。


ワクワクしながら、手でcx1を持て遊んで待っていると、、、




Students of Uganda⑥
サスペンダが連れてきたのはジュリアン一人。

まず彼女の写真を撮って欲しい、その後2ショットを撮って欲しいとの事。



つまり、そういう事か。。。。

さっきまで彼に抱いていた共感が一気に萎えた。



僕が入る隙間は1ミリもなかったので、ファインダーに収めたのは二人だけなのでした。
Students of Uganda⑤

PTCでは、ほとんどの生徒がデキてる。
そりゃあ、年頃の男女が寮生活をしていれば、そういう風にもなるってもの。
ましてやここは"小学生が国民の3分の1を占める国"、みんな元気なのだ。

手をつないで校内を歩くカップルが目に入ると、
「お前らチャラチャラしてる暇あったら、もっと勉強ちゃんとしろやー!」
ってな文句の三つや五つは言いたくもなる。


けど。
そんなのただの嫉妬で言ってるだけであって、
自分だって学生の頃はどーしようもなかったなーなんて、彼と彼女を見ながら思いを巡らせていたのでした。

例えば。
授業中に数学ノートの上欄につぶやきを書き綴っていた高校時代だったり(その後、淳平にノートを貸した事でそのつぶやきがバレて「変態」と言われた)、徹夜で勤務して学校では絶賛睡眠中だったガソスタ時代だったり(爪からハイオク臭が取れなくなった)。

例えば。
人生の中で「陸上部」と「恋愛」のことだけで生きていけたおそらく唯一の時代の、あの頃の僕らであったり。

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