2012年1月26日

そうだ、結婚しよう。②

ある日、同僚から結婚式の招待状を渡された。
 ウガンダの結婚式への好奇心だけでなく、前述の結婚への懐疑心もあって僕は参加の意思を彼に伝えた。

そうだ、結婚しよう。②  新郎は、僕の活動先の学校で理科実験助手として働くデイヴィッド(30歳)。ホットミルクみたいにまろやかな物腰と人懐っこい笑顔が素敵な、公私に渡って仲の良い親友だ。新婦は同じ学校で図書室司書として働くノエリーン(29歳)。
 二人は2009年の暮れに出会い、翌年に交際が始まり、2011年の11月に結婚式を迎えるというスピード婚。彼女曰く「付き合い始めた時から、ずっと彼は結婚のプロポーズをしてくれていたわ」と言うのだから、「女の子は花なんだから、男は草食系でいいんだ」と言い訳ばかりしてる♂としては、彼の積極性に頭が下がる。




 ウガンダにおいて(特にウガンダで多数派を占めるブガンダ族、かつクリスチャンの場合)、結婚式とは2つの形態を意味する。1つは新婦の実家に新郎側が訪れ、出席者の前で結納の儀式が行なわれるIntroduction。そして日本でも馴染み深い、教会で結婚の誓いを立てるWedding party。今回の記事はIntroductionについて(残念ながらWedding partyには日程が合わず、欠席)。

 Introductionを催すには、いくつかの手順が必要となる。まず、式の日程や工程の確認のため、新郎は新婦の家へ出向いて両親と話し合いの場を開かなくてはならない。ただ、公式にはIntroductionが「初顔合わせ」を意味するため、この訪問では最小限の出席者と簡潔な話し合いで終始しなくてはならない。そこでの重要な議題の一つが、Bride Priceと呼ばれる結納金について。もし新郎が新婦の両親が呈示するこのお金を用意できない場合、男性は彼女を嫁として家に迎えることができない。実際の現金を献上する場合もあるそうだが、そのほとんどがその金額に見合った代替物を送るそうだ(よく耳にするのは、家畜の牛)。


そうだ、結婚しよう。④  そして、2枚の婚姻届を用意する。1枚目は、ブガンダ族の王であるカバカ王からの許可を証明する婚姻届。ウガンダでは国全体を治める行政府とは別に、各部族の王を頂点とする王国が存在し、強い影響力を有している。ウガンダでの結婚の際には、日本が役所に婚姻届を提出するように王国に婚姻届を提出することが慣習となっている。2枚目は、新婦の両親からの結婚の許可を証明する婚姻届。
 
 また、式にはTying Ringと呼ばれる婚約指輪も必要となる。これは式中に新郎新婦間で交換されるもので、教会での宣誓の際に用いられる結婚指輪とは別に用意しなくてはならない。 
 
 もちろんそれ以外にも招待状の作成から会場&食事準備、その全てに伴うお金の用意など、結婚式への道のりはウガンダでも随分遠い。
 
 そして、ウガンダでもご祝儀の習慣はしっかりある。ここでは「招待状を受け取る事」と「ご祝儀を渡す事」は同義であるらしく、招待状を受け取ってボンヤリしていた僕は、別の同僚から注意されて慌ててその場で心付けを渡した(5万シル=約1700円)。

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